「道具製作日記」

既成のマジック道具を使うマジシャンも多い中、オリジナルにこだわってマジック道具を製作しています。
設計から製作までのプロセスを紹介するページです。
また、マジック以外の工作物も紹介していきます。


配布用にカードマジックのネタを70セット製作

マジックの依頼が来て「50分枠でやってほしい」とのご依頼でした。
もちろん快諾しましたが、人の集中力の持続は30分くらいです。
そのため今回は30分マジックを演じた後、
お孫さんに見せられるような簡単マジックをレクチャーしようと思い立ちました。

超有名なカードマジックを70セット作ることにしました。

しかしひと口に70セットと言っても、チマチマ1個1個作るのはさすがに大変です。
そこで、まずは治具から作ることにしました。精度はそこそこでいいので加工性のよい超厚手のケント紙で製作。
これが使いやすくていい感じです。どんどん作れて効果てきめんです。
おかげさまでフルセット製作が完了。

あとはもうひと工夫。お楽しみを加えて配布を待つばかりです。


パーラー3本ロープのために窓付きボックスを製作

「パーラー3本ロープ」呼ばれる3本ロープマジックがあります。
マジックの世界で有名な「プロフェッサーナイトメアー(教授の悪夢)」とか呼ばれたり、
単に3本ロープとか呼ばれたりするものとは一風違ったアプローチの現象で、
構成・現象がわかりやすく、よくできた手順です。

しかし本来この手順はシルクハットが必要です。持ってはいますが、かさばるし取り扱いが面倒です。
そこで黒い小さめの箱を使って演じることができないかと考えました。
せっかくなので箱の中身が見えて、現象がクリアになるように窓を取り付けました。

いい感じです。これで一層効果的に不思議に見えるようになります。


ブラックアートの柄を変更

ブラックアートの視覚効果が今一つなので、思い切って色・柄を変更することにしました。
外箱は柄がほぼない状態の細かいキャンバス柄。内筒は無地の派手な色に変更。
カッティングシートの切れ目はタイルテープで装飾。
・・・前より上品になったうえ、視覚効果もいい感じになりました。


ワインボトルとブラックアートの製作

私のステージ手順では、ハンカチからワインボトルが出現するくだりがあるのですが、
トークマジックの後にステージマジックを板付き(舞台に立ったまま)の状態で続けることができません。
ステージマジックの後にトークマジックの順番ならできるのですが、
構成上ステージのほうが華やかなのでできたらステージマジックを後にしたいのです。

そのため、ハンカチからワインボトルの出現をやめて、ブラックアートというネタから出現させることにし、
せっかくなので、続けてワイングラスも出現しそのままで「水と新聞紙」移行できるように考えました。

この製作によりトークの後の一連の流れがうまくいくようになりました。

実際の製作では最近のワインボトルはPETでできているので加工は楽々。完成後、万が一落下してもまず割れません。
しかし、PETへの塗装は素材の性質上ペイントが乗りにくく、大変苦労しました。
塗装後、本物のワインのラベルを貼りなおして、きれいに仕上がりました。

ブラックアートのほうは完全にいちから設計・カット・貼り付けを行いましたが、スリットの穴あけが一番大変でした。
ブラックアート部分の素材探しも結構大変で、最終的に最適なものを見つけ出すことができました。